2018年9月16日 ベルリンマラゾンで2時間1分39秒の世界記録を出したケニアのエリウド・キプチョゲ選手(KIPCHOGE)。
これまでの記録を1分以上を短縮する驚異的な記録です。
2時間をまさに切ろうとする新世界記録です。
ベルリンマラソンは、高低差がほとんどなく、好タイムが出やすいコースとして有名です。
この大会で3人のペースメーカーを配したのですが、キプチョゲ選手(KIPCHOGE)の驚異の速さにペースメーカーが追い付かず次々と脱落しました。
そして出た記録が2時間1分39秒。それほど速いキプチョゲ選手(KIPCHOGE)ですが、ケニアの選手たちがそもそも速いです!
マラソン2時間1分39秒の世界を叩き出したキプチョゲ選手をはじめ、なぜケニア勢は速いのでしょうか?
また、東京オリンピックに当てはめた場合どうなるのか?
人類は2時間を切れるのか、限界のタイムは?
それぞれ解説したいと思います。
目次
キプチョゲ選手の過去から現在までの偉大な記録
世界記録を打ち立てたエリウド・キプチョゲ選手(KIPCHOGE)の過去を振り返ると興味深い超人的な軌跡を知ることができます。
年齢33歳、身長167cm、体重57kg。
もともとは5000mの選手で、2003年世界選手権で金メダル、2004年アテネオリンピックで銅メダル、2008年北京オリンピックで銀メダルを獲得しました。
すべて5000mの実績です。
5000mだけでも凄い、そんなキプチョゲ選手(KIPCHOGE)ですが、マラソンに転向したのが2012年、ここからがさらに凄いのです。
2016年リオオリンピックで金メダル、2017年ベルリンマラソンで優勝、そして今回の2018年ベルリンマラソンで優勝、マラソン11戦10勝の超人的な戦績を残してます。
キプチョゲ選手(KIPCHOGE)の名言
「人間は2時間を切れる、人間に限界はないということを証明するために努力してきた。」
ケニア選手たちはなぜこんなにも速い?
ケニアといえば陸上大会で断トツの成績を打ち立てているのですが、なぜケニア勢はこんなにも陸上では強いのでしょうか?
選手のトレーニングコースは舗装されていない道や起伏のある坂道を走り抜けます。
ガタガタの道、悪路を練習場所としているので足腰が強くなります。
おのずから足の筋肉がつき、バランス感覚も養えることができます。
キプチョゲ選手の故郷のナンディというところは標高2000mの高地、すでに生活と練習環境が高地トレーニングになっています。
また、子供たちの通学も超ハード。ケニアでは給食がないので、家から学校までランチタイムに往復しているのです。
通学と昼食を考えると、家から学校までの行き、昼食を食べに学校から家、食べ終えると家を出て学校へもどり、そして学校から家に帰る、これが毎日、家と学校を2往復となります。
しかも走って移動します。そのトータルの距離40km!!
最後にケニアンドリーム。ケニア人にとってランナーはあこがれの存在。
その中でもマラソン選手はケニアの子供たちにとってなりたい一番なのです。
大会に優勝すれば、賞金に加え豪邸に住めるなどケニア人の夢が叶います。
称してケニアンドリーム。
ケニアでは「自分の生活を変えるために走る」といっても過言ではないのです。
こういう要因がマラソン王国ケニアを支えているのですね。
東京オリンピックのマラソンならどうなるか?
2時間1分39秒の驚異の速さとはどんなものなんでしょうか?
50mを、なんと、8秒6のペースでずーと駆け抜ける速さです。
日本記録である2時間6分11秒のペースと比較したとしても、いまだ四谷3丁目を走っている状態。
その時点でも残り2?先がゴールという状況です。
2時間1分39秒というタイムがいかにすごいというのが分かります。
人類はマラソン2時間を切れる?
人類がかつて到達していない大記録、マラソン2時間を切れるのでしょうか?
昨年5月、キプチョゲ選手(KIPCHOGE)が挑戦したマラソンタイム2時間を切る挑戦イベントがありました。
ナイキが主催した、ナイキ2時間切りプロジェクト!
2時間切れで1億円の報酬も用意しているとのことです。
F1サーキットで走る無駄がなく高低差のない正確な走行コース、30人交代制の人間風よけ、計算され調整された水分補給などが用意されましたが記録は!?
2時間0分25秒、惜しくも2時間は切れませんでした。(2時間0分25秒でも凄いのですが非公認記録です。)
学者の予測だと、人類は2時間を切れるそうです。
いや2時間どころか、生理学的には1時間57分58秒は可能であると予測してます。
人類の可能性はどこまでいくのでしょうか?
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