「在職老齢年金制度」の「28万円の壁」と「46万円の壁」について、会社員である私の場合、および現時点での制度を前提に語ります。
私の年齢で「特別支給の老齢基礎年金」は63歳から受給で、「老齢基礎年金と老齢基礎年金」は65歳からいただけます。
私の会社は60歳定年です。
年金をいただけるのが63歳からなので、会社からの収入以外にない場合は無収入となり、働かざるを得ません。
ところが、63歳から受給の「特別支給の老齢基礎年金」が減額されることが起こりえます。
これを「在職老齢年金制度」といいます。
個人が働いた報酬の額によって、国は支給する年金を減額するなんて、まったく納得がいきませんよね。
しかし、ここはぐっとこらえて、働き続けると年金が減るという「在職老齢年金制度」の「28万円の壁」と「46歳から万円の壁」について解説します!
※28万円と46万円という数値ですが支給停止調整開始額・支給停止調整変更額といいます。
支給停止調整開始額・変更額は毎年度変更になり、平成30年度では28万円と46万円です。
厚生労働省サイトから分かります。
後述します。
目次
本題に入る前に危機的な年金制度の一部
「在職老齢年金制度」について、私をモデルケースにして解説する前に、現状の国の年金制度について簡単に触れましょう。
結論から言うと、年金制度は破綻はしません、が、どんどん悪化していきます。
具体的に平ぺったく言うと、もらえる年齢が遅くなる、もらえる額が減っていく、この2点です。
政府は「在職老齢年金制度」の見直しに入ります。収入がある高齢者の年金減額幅が縮まりそう。人手不足の中、シニアの就労意欲を高める意図があります。#イブニングスクープ
▶高所得者の年金減額縮小へ 政府、就労継続を後押しhttps://t.co/pN3qwRx5EA? 日本経済新聞 電子版 (@nikkei) 2018年5月24日
対策としては、会社員ではなく、フリーランスのような自営業者になるという手もあります。
日本の場合には、年金受給年齢に達しても、給与所得だと在職老齢年金制度によって年金を減額またはストップされてしまう。しかし、フリーランサーとしての雑所得はカウントされないので、年金受給開始年齢になれば年金は全額受け取れる。 https://t.co/xlUdRj387Z #StudyWalker
? 野口悠紀雄 (@yukionoguchi10) 2018年8月5日
給与所得である会社員だと不利だ、フリーランスのような自営業者が有利だ、などの近視眼的な考えに振り回されないよう、まず「在職老齢年金制度」を理解することが先決です。
そして、自分自身のこともです。
65歳未満の年金カット
65歳未満の場合、「28万円の壁」が出現します。
まず、年金月額と給与月額を算出しましょう。
年金月額とは、老齢基礎年金の年間支給額を12カ月で割った金額です。
こちらは「年金定期便」からお分かりになります。
給与月額とは、総報酬月額相当額といい、標準報酬月額に年間のボーナス分を12カ月で割った金額です。
ざっくり会社からもらう収入を12で割ればおよその額が出ますね。
年金月額+給与月額 ? 28万以下
年金は減額されません。
年金月額+給与月額 > 28万超
年金は減額されます。
年金減額分は、「年金月額が28万円以下、給与月額が48万円以下」という条件で、28万円を超える「年金月額+給与月額の合計額」の「2分の1」が減額となります。
一読して分かりますか? ややこしいですね。 なんでこんなに難しくするのか分かりませんが。
「年金月額が28万円以下、給与月額が48万円以下」という条件は、普通のサラリーマンの方は当てはまると思います。
ちなみに私は「年金月額が28万円以下、給与月額が48万円以下」です。
「年金月額+給与月額の合計額」マイナス28万円を「2分の1」にした金額、これが減額となります。
たとえば、「年金月額+給与月額の合計額」が30万円になった場合、30-28=1万円が減額されます。
65歳以上の年金カット
65歳以上の場合、「46歳から万円の壁」が出現します。
「28万円の壁」が46万に差し替えることでご理解できると思います。
同様に、予め年金月額と給与月額を出しておきましょう。
年金月額+給与月額 ? 46万以下
年金は減額されません。
年金月額+給与月額 > 46万超
年金は減額されます。
年金減額分は、46万円を超える「年金月額+給与月額の合計額」の「2分の1」が減額となります。
たとえば、「年金月額+給与月額の合計額」が50万円になった場合、50-46=2万円が減額されます。
普通のサラリーマンでも、50万円を超える方もいるかもしれません。
私は当てはまらないでしょう。(予想)
支給停止調整開始額・変更額は厚生労働省サイトから分かります
先ほどから出ている数字の28万円と46万円ですが、支給停止調整開始額・支給停止調整変更額といわれます。
支給停止調整開始額・変更額は毎年度変更になり、平成30年度では28万円と46万円です。
厚生労働省サイトから分かります
「支給停止調整開始額」などで検索すればすぐに出てきます。
平成30年度は以下です。
ここは毎年改定されるので時折チェックしましょう。
それでも働き続けることのメリットは大きいです
60歳以降も働いて国へ税金を納めるにもかかわらず、年金はカットされるという不条理。
国の年金の財源がないことは重々承知ですが、心情的に納得できませんよね。
ここは我慢しましょう。
なぜならば、働き続けるメリットがあるからです。
●会社の健康保険にも加入するわけですから、病院や薬などの医療コストが助かります。
体と頭が動いて、働けるうちは働いて、健康に長生きして、年金支払いの元はきっちり取り戻し、幸せに人生を送りましょう。
(これがいいたかったのです)
あわせて読みたい役に立つ年金の記事
ライフプランを充実させるためには、年金をどれだけもらえるのか、若いうちからは把握したほうがいいです。
「ねんきん定期便」は50歳から郵送されるので、50歳からははっきり絶対額がつかめますが、40歳代でもネット上からざっくり知ることができます。
年金については過去に多くの記事を書いてますので、一部ですが下記をご参考にしてください。
https://ttb100.net/5836.html
https://ttb100.net/5708.html
https://ttb100.net/5111.html
複雑な年金制度、さらに年金そのものと関係する額も毎年改定されていきます。
要注意ですね。
繰り返しになりますが、人生100年時代を生きていくためには、体と頭が動いて、働けるうちは働いて、健康に長生きして、年金支払いの元はきっちり取り戻し、幸せに人生を送りましょう。
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